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このブログは法律違反なのか?!/7月25日 [雑談]

このブログを始めてからというもの、にわか気象ファンになっていまして、気象庁のホームページにも度々訪れています。
ところが!恐ろしいものを見つけてしまいました。

日本には「気象観測施設の届出・気象測器の検定」制度というものがあり、個人であっても「観測の成果を発表するために気象観測を行う場合には、技術上の基準に従って行い、検定に合格した気象測器を使用し、気象観測施設設置の届け出を気象庁長官に行うことを義務付け」られているというのです。
なぜそんなことをしているかというと、「正確な気象観測の実施及び観測方法の統一を確保する」ためです。

それは、大事なことだと私も思います。

上記のページにはQ&Aコーナーにリンクが張られています。そこにいくと、次のような記述もあります。

Q:個人で気象観測を行った観測値を自分のホームページで公開してもよいでしょうか

A:ホームページでの公開は、成果の発表にあたりますので、届出が必要です。 また、その場合には技術上の基準に従った観測を行い、検定に合格した気象測器を使用する必要があります。
 
Q:届出が必要となる気象観測種目を教えてください

A:観測種目は、気圧、気温、蒸気圧、露点温度、相対湿度、風向、風速、風力、降水量、積雪深、雲、視程、日照時間、日射量、天気が対象です。

Q:観測の成果とはなんですか

A:観測により得られた値(データ)のほか、合計、平均などの統計的な値なども含まれます。

さらにこんな記述も

Q:罰則はありますか

A:検定に合格した気象測器を用いた観測を行わなかった者、届出観測施設の気象測器を壊した者に対する罰則規定が定められています。 (気象業務法第44条、46条など)

驚いて罰則規定を見てみると、検査に合格した気象測器を用いた観測を行わなかった個人に対しては、50万円以下の罰金が処せられるようです。

うーむ。私は知らないうちに日本国の法規に触れていたのでしょうか。一国民として不安になります。

深呼吸をして、もう一度気象業務法を第一条から読んでみます。
 
++++++++++++++++++++++++++++++
気象業務法
第一章 総則 (目的)

 第一条  この法律は、気象業務に関する基本的制度を定めることによつて、気象業務の健全な発達を図り、もつて災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際的協力を行うことを目的とする。

第二条  この法律において「気象」とは、大気(電離層を除く。)の諸現象をいう。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

なるほど、気象業務法にいうところの「気象」は、電離層を除く大気の諸現象のことをいうのですね。

「大気」というのは、「地球を取り巻く気体の層」(大日本百科全書)ですから、気象業務法の適用を受ける「気象観測」とは、「電離層を除いた地球を取り巻く気体の層」についての観測を行う場合をいうと解釈できます。

だんだん、ポイントが理解できてきたような気がします。つまり、私が罪に問われるかどうかは、私が日々行っている計測が「電離層を除く地球を取り巻く大気の層」に関するものなのかどうかによるということです。

以下、この点について、検討したいと思います。

プレゼンテーション2.jpg

これが、拙宅の4つの観測ポイントです。このうち、室内2か所については、「地球を取り巻く大気の層」についての計測ではないと言い切ってもいいでしょう。室内は窓を閉め切ることも多いですし、暖房を使ったり、ガスコンロを使ったり、エアコンを入れたりするので、計測対象を「大気の層」というのは無理があります。

室外についてはどうでしょうか。

「緑のカーテン」外については、何度も繰り返し書いているように、「大気の層」の温度だけでなく、直射日光による輻射熱も観測していることになります。日差しが強い場合には、大気の温度が低くても、計測値が極めて高くなることも先週ご報告した通りです。

ということで、これも「気象観測」には該当しないといえるでしょう。

さて、最後に残った「緑のカーテン」内の温度です。

この計測ポイントは常に日陰ですので、直射日光の輻射熱を計っているということにはなりません。
室内でもないので、観測対象が「地球を取り巻く大気の層」ではない、ともいえないと思います。

ただし、この計測ポイントでは「緑のカーテン」が気化熱を奪う影響が多少なりとも、常にあります。計測対象を概念として示せば、「大気の温度」-「気化熱」というものになります。
また、観測ポイントはコンクリート製の壁際や床面にも近いため、壁や床からの熱の影響も受けているはずです。

ここで、Q&Aコーナーの一部を改めてみてみますと、
「届出が必要となる気象観測種目」は「気圧、気温、蒸気圧、露点温度、相対湿度、風向、風速、風力、降水量、積雪深、雲、視程、日照時間、日射量、天気が対象です」とあります。 
ここで「気温」といっているのは、文字通りの大気の温度ですから、緑陰が奪う気化熱や壁、床からの放熱などは含まれないのです。つまり、「緑のカーテン」内で計測されているのは、「気温」に近い概念ですが、厳密には違うわけです。

このブログでは過去に、<「気温」という言葉について>というタイトルで、「気温」という用語の用法について説明しています。その中で、計測している「気温」が、正確な意味での気温ではないことに理解を求めてきました。

いま、違法性が問われそうな局面に立ち至りましたので、今後は紛らわしい「気温」という言葉は使用せず、「温度」と言い換えるようにします。

それにしても、「気象観測」にこれほどの広範な規制の網がかかっているとは思いも寄りませんでした。

考えてみれば、気象観測や気象予測というのは、恐らく人類が狩猟生活や農耕生活に入った直後から、日々の生活や場合によっては生死を左右する大事な業務であったわけです。

高度化した現代社会でも、その精度が上がれば上がるほど、日々の生活や経済活動が安全で見通しのよいものになるわけですから、いい加減な観測や予測を野放しにはできないというのは当然のことだと思います。

最近では、天候が悪化した時の売り上げをカバーする保険なども出てきていて、気象ビジネスも百花繚乱ですから、規制の必要性も増しているのかも知れません。

やってみると、自宅の4か所の温度を計るだけでも、結構、大変です。台風や地震など、自然災害が多い日本の国民として、気象観測業務に当たられている人々には敬意を表したいと思います。










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コメント 2

8nyachi(Twitterアカウント)

素晴らしいですね!日々の積み重ね、知識のUPに感動です。また、よらせて頂きます。m(_ _)m
by 8nyachi(Twitterアカウント) (2011-07-27 12:49) 

taka-survival

ありがとうございます。励みになります。
by taka-survival (2011-07-27 21:17) 

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